公立中高一貫校
- 2008-05-09(Fri)
- 塾長より
- 【⇒ 東進学力POSへ】
公立中高一貫校は、教育の機会均等を実現するか
私立中学等進学率。東京都の小学校を卒業し、都内の学校に進学した子どもが私立中学、国立中学に進学した率を表している。
首都圏では中学校から私立に通う子どもは珍しくない。東京都の調べでは都内の小学校を卒業後、私立中学等へ進学する率は2002年度に16パーセントを超え、その後もほぼ毎年増加している。また、延べ応募人員についても1999年に約10万件を突破してから毎年伸び続けている。
「首都圏の中学受験者数は増加していると感じています。東京や神奈川だけでなく千葉、埼玉にまで、増加の傾向は及んでいます」(大手進学予備校関係者)
首都圏私立中学の難関校としては、男子御三家(開成、麻布、武蔵)のほか、駒場東邦などが有名。女子では御三家の桜蔭、女子学院、雙葉などがおなじみだ。ここ数年ブームが過熱し、私立中受験者は増え続けてきた。
だが、2008年度は、開成、武蔵、駒場東邦は前年と比べ受験者数が減っている。隔年で増減する範囲内という見方もできるが、03年ごろの伸び率と比べ、熱は落ち着いてきたといえそうだ。
その一方で、中学受験に新たな人気校が出現している。それは、ここ2、3年で設立数が増えている公立の中高一貫校だ。
大学受験に有利だとされている中高一貫教育を、公立校の授業料で安価に受けられるところも保護者には嬉しい。06年に設立された千代田区立九段中等教育学校は10.31倍、今年新設された立川国際中等教育は14.54倍、千葉県立千葉中学校ではなんと27.1倍と、倍率が10倍を超える学校もある。私立名門中学の応募倍率が2倍から3倍程度であることと比較すると、人気は格段に高い。
そもそも、私立中高一貫校に人気が集まった背景には、公立校への不信感がある。いじめ、不登校などに加えて、ゆとり教育による学力低下の問題が大きかった。なかでも、毎年雑誌等で発表される東大合格者の高校別ランキングでは私立校ばかりが名を連ね、かつてトップ合格者数を誇った都立日比谷高校などは、数年前まで20位内にすら入ることはなくなっていた。
公立中高一貫校が期待されているもうひとつの事由は教育格差是正。私立中学受験が盛んになり、浮上してきたのが教育格差問題だ。
文部科学省の子どもの学習費調査によると、中学生の学習費総額は公立で47万2千円、私立は126万9千円、と年間で80万円近くの差がある。さらに、私立名門校に合格するには、小学校時代から進学塾に通わなければならない。進学塾は一般の補習塾より授業料が高く、6年生になると授業料だけで年間30万円以上に及ぶ。
塾代は、授業料以外にも、入学金・教材費はもとより、夏冬の講習、入試直前対策など多数のオプションが用意され、別途お金が必要になってくる。さらに中学に入学してからも、初年度だけで百万円以上必要となる。最終的に名門大学に入れるかどうかが、中学受験させられるかどうかで決まると言って差し支えない。私立中受験が盛んになる中、「不公平、おかしいことだ」とする声が高まっていたのだ。
公立中高一貫校ができ、私立と比べて安いお金で中高一貫校の教育が受けられるようになった。教育費をたくさんかけない方針の家庭、かけられない家庭にも中学受験の機会が与えられているようにも思える。
しかし、公立中高一貫校の人気がこのまま高止まりするとなると、受験対策の必要が出てくる。となると、やはり進学塾に通っている子どものほうが有利。塾に通わない子どもは公立中高一貫校には受かりづらい。
名門大学に入ることが子どもの将来を保証する時代はとっくに終わっている。多くの親は大学に入学することはゴールではなく、単なる通過点に過ぎないことにも気付いている。それでも、名門大学に受かるには親の財力がものを言う時代は終わらない。

私立中学等進学率。東京都の小学校を卒業し、都内の学校に進学した子どもが私立中学、国立中学に進学した率を表している。
首都圏では中学校から私立に通う子どもは珍しくない。東京都の調べでは都内の小学校を卒業後、私立中学等へ進学する率は2002年度に16パーセントを超え、その後もほぼ毎年増加している。また、延べ応募人員についても1999年に約10万件を突破してから毎年伸び続けている。
「首都圏の中学受験者数は増加していると感じています。東京や神奈川だけでなく千葉、埼玉にまで、増加の傾向は及んでいます」(大手進学予備校関係者)
首都圏私立中学の難関校としては、男子御三家(開成、麻布、武蔵)のほか、駒場東邦などが有名。女子では御三家の桜蔭、女子学院、雙葉などがおなじみだ。ここ数年ブームが過熱し、私立中受験者は増え続けてきた。
だが、2008年度は、開成、武蔵、駒場東邦は前年と比べ受験者数が減っている。隔年で増減する範囲内という見方もできるが、03年ごろの伸び率と比べ、熱は落ち着いてきたといえそうだ。
その一方で、中学受験に新たな人気校が出現している。それは、ここ2、3年で設立数が増えている公立の中高一貫校だ。
大学受験に有利だとされている中高一貫教育を、公立校の授業料で安価に受けられるところも保護者には嬉しい。06年に設立された千代田区立九段中等教育学校は10.31倍、今年新設された立川国際中等教育は14.54倍、千葉県立千葉中学校ではなんと27.1倍と、倍率が10倍を超える学校もある。私立名門中学の応募倍率が2倍から3倍程度であることと比較すると、人気は格段に高い。
そもそも、私立中高一貫校に人気が集まった背景には、公立校への不信感がある。いじめ、不登校などに加えて、ゆとり教育による学力低下の問題が大きかった。なかでも、毎年雑誌等で発表される東大合格者の高校別ランキングでは私立校ばかりが名を連ね、かつてトップ合格者数を誇った都立日比谷高校などは、数年前まで20位内にすら入ることはなくなっていた。
公立中高一貫校が期待されているもうひとつの事由は教育格差是正。私立中学受験が盛んになり、浮上してきたのが教育格差問題だ。
文部科学省の子どもの学習費調査によると、中学生の学習費総額は公立で47万2千円、私立は126万9千円、と年間で80万円近くの差がある。さらに、私立名門校に合格するには、小学校時代から進学塾に通わなければならない。進学塾は一般の補習塾より授業料が高く、6年生になると授業料だけで年間30万円以上に及ぶ。
塾代は、授業料以外にも、入学金・教材費はもとより、夏冬の講習、入試直前対策など多数のオプションが用意され、別途お金が必要になってくる。さらに中学に入学してからも、初年度だけで百万円以上必要となる。最終的に名門大学に入れるかどうかが、中学受験させられるかどうかで決まると言って差し支えない。私立中受験が盛んになる中、「不公平、おかしいことだ」とする声が高まっていたのだ。
公立中高一貫校ができ、私立と比べて安いお金で中高一貫校の教育が受けられるようになった。教育費をたくさんかけない方針の家庭、かけられない家庭にも中学受験の機会が与えられているようにも思える。
しかし、公立中高一貫校の人気がこのまま高止まりするとなると、受験対策の必要が出てくる。となると、やはり進学塾に通っている子どものほうが有利。塾に通わない子どもは公立中高一貫校には受かりづらい。
名門大学に入ることが子どもの将来を保証する時代はとっくに終わっている。多くの親は大学に入学することはゴールではなく、単なる通過点に過ぎないことにも気付いている。それでも、名門大学に受かるには親の財力がものを言う時代は終わらない。


